【経営コラム】事業再構築のための経営の着眼点(その10)

シェアリングエコノミー事例1・2(ブランドバッグと駐車場)

前回号の続きです。

事業全体の活性化や事業立地の付加・転換など、事業自体をその本質から見直そうとするときは、ビジネスの全体像を現したビジネスモデル俯瞰図を作ってみるとわかりやすいです。ビジネスモデル俯瞰図を使って、事業の活性化を図りたいときの着眼点を整理いたします。

■着眼点15:家庭に眠っているブランドバッグを借り受けて、月額定額制(サブスクリプション)で第三者に貸し出すサービス!
https://laxus.co/

●所有に対するこだわりが薄れ、必要なものを必要な時にのみ借りて使う、手元にあるものが自分の所有物である必要はない、と考える消費者が増えているようです。特に高額なハイブランド商品などは買えない、所有できないが使ってみたいと思う潜在ニーズがあったのでしょう。

一方、使い飽きたブランド品をタンスの肥やしとして眠らせている所有者がいて、この眠っているブランド品を貸し出してもよいと考える人もたくさんおられるようです。

ラクサス様は上記のニーズをマッチングさせることに成功しました。貸し出したい人から借り受けて、商品の補修・整備を行い、借りたい人に貸し出します。貸出期間中は所有者に対して貸出料を支払います。借りる人は月額定額制で必要なバッグを借り続けることができます。

■着眼点16:契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設などの空きスペースを開拓して、時間貸しするサービス!
https://akippa.co.jp/

●月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設などの空きスペースは相当数存在します。これらの空きスペースのオーナーが、決められた日時、時間に限定して利用希望者に駐車場として貸し出します。この貸し手と借り手をマッチングさせるプラットフォーマーがakippa株式会社様です。ITとスマホの普及で、アナログでは到底対応できないきめ細やかなマッチングが可能になりました。

◆シェアリングエコノミーがどんどん世の中を変えています。自社流のシェアリングエコノミーを創造したいものです。

以下、シェアリングエコノミーに関する中小企業庁のレポートを掲載します。その定義も含めてご確認ください。

◆シェアリングエコノミーの認知度と活用に向けた課題

『…近年、スマートフォンの普及等ITの利活用環境の変化に伴い、シェアリングエコノミーが登場し、我が国経済の仕組みを変えつつある。シェアリングエコノミーについては、様々な分野で新たなサービスが開発されており、現時点で一義的に定義を行うことは困難であるが、本項では「個人等が保有する活用可能な資産等をインターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動」として捉えることとする。資産の提供者である貸主は個人のことが多いが、法人が貸主となることもあり、遊休資産の活用による収入を得ることができる。他方、借主は所有することなく利用ができることから既存のサービスと比較して利用コストを低く抑えることができるというメリットがある。将来的には「所有から利用へ」という発想転換が進み、新ビジネスが多数参画し産業の新陳代謝が促進される可能性がある。代表的なサービスとしては、他人が所有する空き部屋や不動産を利用希望者に提供する民泊サービス、個人の所有するモノを他人が利用するサービス、個人の専門的なスキルを空き時間に提供するサービス等が挙げられる…』(出所:中小企業庁)

…次回につづく