【実践コラム】借り換えによりリスケを回避した事例

リスケを検討している社長様はご確認ください

新規資金調達と既存借入の借り換えにより、リスケジュールを回避した事例をご紹介します。下記A社は、「資金繰りが厳しいので借入のリスケジュールを検討している。どのように進めればよいか?」というご相談で来所されました。

会社名:A社(仮称)
事業内容:広告デザイン業
営業年数:22年
資本金:2,000万円
直近売上高:約1億円
直近純利益:約▲300万円
有利子負債総額:約3,400万円
自己資本:約200万円

まず直近の決算書を拝見したところ、売上高が急激に落ち込んでおり、純利益は2期連続で赤字という状況でした。しかし、足元の試算表を確認すると、9カ月経過時点で424万円の経常利益が出ています。人員を減らすなど、固定費削減努力の効果のようです。

当初はリスケジュールのご相談でしたが、リスケジュールはデメリットもあるため、出来れば避けたい手段です。足元の利益が継続できれば、新たな資金調達と既存借入の返済期間を長期化することで資金繰りが改善できると考えました。

早速説明資料を作成し、ある信用金庫の担当者に借り換えの相談をしました。財務状況にいくつか問題点はあるものの、毎月70万円を返済してきた実績を評価していただき、前向きに取り組んでいただくことになりました。結果は次のとおりです。

【既存借入の状況】
・K銀行保証付融資残高27,674千円(返済額374千円)
・日本政策金融公庫残高6,300千円(返済額300千円)
・合計借入残高33,974千円(合計返済額674千円)

【借り換え後】
・H信金保証付融資11,202千円(返済額133千円)
・H信金プロパー融資16,472千円(返済額196千円)
・日本政策金融公庫10,000千円(返済額142千円)
・合計借入残高37,674千円(合計返済額471千円)
新規の資金調達が3,700千円できた上で、毎月の返済額を203千円引き下げることができました。

H信金の担当者によると、「直近の決算が赤字の場合、新規で取り上げるのは通常難しいが、返済が可能であることを、資料で丁寧に説明いただいたことが良かった。」と仰っておられました。リスケジュールをする前に、借り換えという選択肢も検討してみてください。