【実践コラム】資金調達が上手くいかない

銀行との折衝でありがちな間違いとは

弊所に相談に来られる会社様の中には、資金調達が可能な財務内容であるにも関わらず、融資を断られているケースがしばしば見られます。

断られた本当の理由は分かりませんが、金融機関との折衝が上手くいかない事例をまとめましたので、お心当たりがないかご確認ください。

■ 口頭による説明だけで終わらせている。
最低限の資料しか提出せず、補足説明などを口頭で終わらせている社長様を多くお見受けします。銀行の担当者がよほど優秀でない限り、説明の全てが決裁者に届くことはありません。

■ 説明が分かりにくい。
業界や取引先等を、相手が知っているという前提で話をする社長様は少なくありません。銀行の担当者はいちいち聞き返しませんが、実は内容を殆ど理解出来ていない可能性があります。

■ 話が大きすぎる。
あなたの会社のことを聞いているのに、大手企業や政治の話を持ち出して話をする社長様は多いです。雑談の域を出ない話では、担当者は稟議書に書くことがなくて困ってしまいます。

■ 会計を理解していない。
会計上の数字を理解せず、「良く売れた」「儲かった」など、感覚的、部分的な話をする社長様がいらっしゃいます。銀行員は、実際の数字と食い違う説明をされると大きなストレスになりますので、会計上の数字に沿った説明が必要です。

■ 融資の常識を理解していない。
誰もが、返せる見込みがない人にお金は貸しません。借りる側が、返済できる見込みを具体的に示すのは当然のことですが、借りたお金をどうやって返すかという説明が抜けていることが多々あります。

■ 話してもよい事の線引きが出来ていない。
銀行員に対して迂闊なことを言ってはいけないと考えすぎて、説明をぼかしたり、はぐらかしたりする社長様がいらっしゃいます。聞くと話をしても特に問題ないことが殆どですが、そのような態度は変に怪しまれてしまいます。

■ 話してはいけない事の線引きが出来ていない。
例えば、会社の売却を考えているなど、具体的な話がある訳でもないのに、軽く雑談のつもりで話す社長様がいらっしゃいます。金融機関がネガティブに捉える事柄を知り、軽々に発しないようにしましょう。

本来受けられるはずの融資が断られる理由は、些細な説明ミスや資料不足です。銀行の常識や考え方をよく理解し、間違った対応をしないよう心がけましょう。