【経営コラム】経営の判断基準は「感情、感覚、理性(論理)、魂」(故稲盛和夫先生)です

一時の感情で行動しない!

故稲盛和夫先生のお言葉を引用して解説いたします。経営の判断基準について分かり易い例えでお話しされています。経営が厳しい時等、この言葉を思い出してください。

■『一時の感情で行動しない!感情や感覚を判断基準にして行動しないでください!』

少なくない経営者が、いや人々が、一時の感情に走って人生を大きくロスしています。時に台無しにしています。

■経営の判断基準の優劣を、故稲盛和夫先生(京セラ名誉会長)は、講演で以下のように述べておられました。

『感情、感覚、理性(論理)、魂の順番にレベルが向上する。最も程度の低い判断基準は感情である。経営者は、感情や感覚に判断基準をゆだねず、理性をベースにして、魂にその判断をゆだねなさい。(後略)』

■感情的判断には2つのパターンがあります!

◆1.(短期的)瞬間的に心が乱れて感情的になる。
◆2.(慢性的)長い間心が病んで感情的になる。

◆1.(短期的)瞬間的に心が乱れて感情的になる…の処方箋!

瞬間的に怒りの感情がこみ上げることがあります。この時は、自分が正しくて、相手に非があると思っています。感情的な言葉を発すると、吐いた言葉は戻ってきません。相手の心には生涯残るかもしれません。

瞬間的に感情がこみ上げてきたときには、まずは心の中に留めてください。そして、この怒りを持ち帰ってください。一晩、できれば数日温めても、この感情が抜けなければ、そこから対応を考えましょう。この手の感情の大半は、数日以内に消え去ります。であるなら、数日前に感情的な言葉を発さなかったことが正になります。

◆2.(慢性的)長い間心が病んで感情的になる…の処方箋!

長い期間試練にさらされた時、その試練の絶対量が経営者のキャパシティーを超えた時に発症します。『そうならないように無理をし過ぎない。』『サポートを依頼する。』ことも必要です。病気として病む手前、この状況が一番危険です。正常と考えて経営判断を行ってしまうためです。

自分の心を完全にコントロールできる人はほとんどいません。というより皆無でしょう。この前提で、経営に取り組んでいかねばなりません。

◎(短期的)瞬間的に心が乱れて感情的になったときは、言葉を吐かずに時間を稼いでください。また、この状況下での判断は行わず、先送りしてください。時間が解決してくれることでしょう。

◎(慢性的)長い間心が病んで感情的になったら、これはかなり重症です。このような状況に自分自身を追い込まないように用心しましょう。そうなってしまったら、誰かのサポートを受けてください。

自分の心を大切に労わりながら生きてください。経営は、人生は、短距離走ではなく長距離走です。