【経営コラム】重要な経営法則(その7)
21.儲かる会社にするためには…(SP経営協会)
22.強烈な当事者意識は社長に必要な資質の一つ目です。(ロバート・シュラー氏)
23.I型社長ではなくT型社長に…専門性の他に幅広い知見を!(SP経営協会)
…前回からのつづきです。
自社の経営をより良くするためには、今のビジネスモデルに新しいアイデアを付加することが一つの道です。そのためには、様々な経営の法則を一つでも多く頭に入れてください。
経営者として知っておくべき知見は星の数ほどありますが、ほんの一部を紹介します。
■儲かる会社にするためには…(SP経営協会)
1.売上が伸びても、原価や販管費がそれほど伸びないビジネスモデルにする。
○売上が伸びても、原価や販管費がそれほど増えない会社は高収益企業になります。
・売上が伸びた時、原価が比率として下がる、スケールメリットを享受できるビジネス
・売上が伸びた時、追加の原価をあまり必要としないコンテンツビジネス
・売上が伸びた時、販管費があまり増えない非労働集約型ビジネス
・原価や販管費の伸びに比して、単価が高いビジネス
○一方、売上が伸びる時、原価や販管費が売上の伸びに追従して膨らむビジネスは高収益企業には成り得ません。
2.売上高・粗利益・販管費、この三つのバランスを計り、タイミングよく三つの関係を見直すための経営管理を確実に行えている会社は利益を出せます。
仮に同じ戦力で事業を行っても、その「ビジネスモデルや事業立地」(どのようなビジネスを、どのように行うか?)によって結果は大きく変わります。雲泥の差です。社長は、常に自社の「ビジネスモデルや事業立地」を磨き込むことに最善を尽くさねばなりません。また、「進め方の程度加減」を計らねばなりません。これが経営管理です。
正しい目標「ビジネスモデルや事業立地」に向かって、「進め方の程度加減」を計りながら経営を進めていく指揮官が社長です。
■強烈な当事者意識は社長に必要な資質の一つ目です。(ロバート・シュラー氏)
社長に必要な資質をひとつだけあげるなら、私は当事者意識を選びます。社長には強烈な当事者意識、たとえ何が起きても、それが不条理や不運であっても、その運命も含めて100%自分の責任と瞬時に思えるそれが必要です。
◆以下、アメリカの著名な牧師、ロバート・シュラー氏の言葉を著書から引用します。
・もしこれが駄目なら、他にどんな方法があるかを検討しよう。すべての可能性を調査しよう。
・自分のゴールまでの道、あるいはもう一つの残された道や可能性を自分で決定しよう。
・自分の決断に責任をもとう。
・自分の運命に責任をもとう。
・自分はあやつり人形ではない。単なるスーパーコンピューターをはるかに越える魂をもった生き物が、己の意志で判断する、これが人間というものだ。そして、これがリーダーシップだ。自分のことは自分で考えよう。
・必要があれば、自分の精神構造や情緒パターンも積極的に変えていこう。
・リーダーシップを、他人やほかの権力に売り渡すのはやめよう。
・消極的な思考に負けて、自己決断の責任を放棄するのはやめよう。
・いちばん先頭に立とう。自分の人生のリーダーは自分なのだ。
・権力におびえて、逃げ出すのはやめよう。
・いつまでも自分の魂の航海のキャプテンでいよう。席を離れたすきに、誰かが舵を奪い取って、あなたの肉体や心や永遠の魂まであやつってしまうことのないように注意しよう。
■I型社長ではなくT型社長に…専門性の他に幅広い知見を!(SP経営協会)
◆I型社長…ある分野のスキル・専門性のみを有する社長
◆T型社長…ある分野のスキル・専門性に付加して、幅広く経営に関する知見を有する社長
○技術のみでは経営はうまくいきません。
・優秀な設計技術者でありながら、経営がうまくいかない社長がおられます。
・優秀なパティシエでありながら、経営がうまくいかない社長がおられます。
この様な例は枚挙にいとまがありません。
○設計事務所の経営がうまくいくためには、二つの条件が必要です。
1.設計技術が優れていること。
2.設計事務所の経営力が優れていること。
○同様に、ショップ経営がうまくいくためには、二つの条件が必要です。
1.パティシエとしての腕が良いこと。
2.ショップの経営力が優れていること。
1.のみ優れた社長は、冒頭のように、技術は優秀でも経営はうまくいきません。考えてみれば当たり前で、設計技術を持ち合わせていないのに設計事務所を開業する社長は居ません。また、製菓技術を習得せずにショップを開業する社長もいませんが、経営に関しては全く事前勉強することなく、かつ、経営を始めても学ばない社長も少なくありません。故に、2.に関しては生涯素人のままの状態で社長を続けることになります。経営がうまくいかないはずです。
○I型社長ではなくT型社長を目指してください。
中小企業、特に創業期や創業初期においては、その代表者のスキル・専門性がその会社のすべてです。このスキル・専門性の度合いで、その事業の成否の半分は決まります。一方、企業経営を行うためには、スキル・専門性の他に、企業経営に関する知見が必要です。
…次回につづく