【経営コラム】値上げに挑戦してください!
どんどん値上げが実施されています
■2021年の10月以降に値上げを行った商品・サービスは以下です。また、本年度も値上げの発表が続いています。
以下、ITmediaビジネスオンラインより抜粋、引用させていただきます。
・外食産業は、吉野家が牛丼並盛を39円値上げした。中盛り・大盛りなどのサイズ変更も値上げの対象となった。すき家も12月から並盛を50円、その他のサイズを最大70円値上げ。
・高級食パン専門店の乃が美は、「生」食パンレギュラー(2斤)を中心にサイズ違いも含め最大108円値上げした。
・テーマパークでは、東京ディズニーランド・シーが価格変動制により、繁忙期の入園料を最大700円値上げ、閑散期は300円の値下げとした。繁忙期の入園料は最大で9400円になる。
・11月には化学メーカーのカネカが、塩化ビニル樹脂1キログラム当たり40円以上の値上げに踏み切った。
・最も多く値上げを発表したのは、食品関連だろう。各社、原材料価格の高騰や政府売渡価格の改定に伴い値上げを発表した。山崎パン、フジパン、敷島製パン(Pasco)は10月に和洋菓子の価格を改定した。山崎パンは「まるごとバナナ」などを含む商品を平均7.0%値上げした。フジパンは平均8.4%、敷島製パンは平均7.4%の値上げを発表した。…等々多数
・22年も食品関連の企業が最も多く値上げを実施する予定だ。
・1月に値上げする企業は山崎パン、日清フーズ、カルビーだ。山崎パンは21年10月に和洋菓子の値上げを実施し、年明けには食パン・菓子パンを平均7.3%値上げする。…等々多数
・2月には、冷凍食品、加工肉、食用油、ジャムなどが値上げ対象となる。冷凍食品は、味の素冷凍食品がタイで製造している鶏肉加工品について家庭用4品・業務用40品種を値上げ、もしくは内容量を変更する。…等々多数
■価格転嫁してください。
原価が上昇すれば販売価格に転嫁する、これが常道です。価格に転嫁できるかどうかで悩むのではなく、どのように価格転嫁するかを考えてください。
原価・仕入れ価格が上昇しても売価に転嫁できない、と結論付ける経営者も少なくありませんが、これは思考放棄です。価格に転嫁しても、売上(利益)を落とさない方法を探す、こう考えるべきではないでしょうか。原価・仕入れ価格の上昇を売価に転嫁しながらも、売上(利益)を落とさない方法を考える、このためには相応の努力が必要です。A案、B案、C案、それらの組合せなど、創意工夫と知恵が必要です。
■価格転嫁する、この選択をすることで、付加価値アップの必然性が生まれます。
原材料費・人件費や物流費などのコスト上昇局面において、価格転嫁を前提に創意工夫を重ねていく会社様と、価格転嫁できないことを前提に創意工夫を怠る会社様に分かれてしまうのでしょう。
価格への転嫁は付加価値アップの試練を与えます。商品やサービスへの創意工夫が求められます。価格の据え置きは、付加価値アップの意欲を奪います。コストに対する過度の忍耐から、知恵の創造・付加価値アップは生まれません。
◎5年後・10年後、前者と後者には大きな差が生まれます。
■過去におけるこの考え方の差が、現時点の企業の優劣に表れています。
価格の上昇に消極的な判断を続けてきた会社は、付加価値アップへの挑戦を怠り、結果、価格を上げると売れない実態を余儀なくされています。一方、価格の上昇に積極的に取り組んできた会社は、それに見合う付加価値アップへの挑戦を繰り返してきました。結果、価格を上げても売上を落とさない企業力を構築できています。
■自社の過去を振り返り、今後の価格戦略を構築してください。
◎原価や仕入れ価格の上昇分は、確実に価格転嫁してください。
◎価格転嫁するために、様々な創意工夫を行ってください。
この創意工夫こそが経営そのものです。
◎価格を上げることに積極的な経営を行ってください。
今一度、自社の収支構造を確認いただいて、必要なら躊躇なく値上げを検討してください。