【経営コラム】ソリューション提供企業への転身!

顧客は、ドリルが欲しいのではなく、穴が欲しい!

商品やサービスそのものを提供する企業が、それに付帯する周辺サービスを併せて提供することで、提供先企業が抱える問題点を解決する「ソリューション提供企業に転身する」…TVCM等で大手企業がよく掲げるセリフです。

※ソリューションとは、一般的には「回答」や「解決すること」などの意味を持つ英語です。IT用語としては、企業がビジネスやサービスについて抱えている問題や不便を解消すること、および、そのために提供される情報システムなどを指します。

◆メーカー(1)

(現)タイヤメーカー
(新)車両の足回りサービス企業
バス会社・運送会社向けに、車両の足回りのメンテナンス業務をすべて担うサービスをサブスクで行います。商品の単独供給からソリューション提供に移行する段階で、サブスクモデルに転換します。

⇒バス会社・運送会社はタイヤそのものを求めているのではありません。快適・安全に走行できる機能が必要なのです。

◆メーカー(2)

(現)製麺事業者
(新)うどん店店舗サポート事業
(コンサルティング事業⇒FC本部)
うどん店向けに、麺を販売していた事業者が、うどん店の運営支援に乗り出します。さらに、うどん店の成功モデルを見出しFC本部として事業を展開します。

⇒うどん店は、麺だけでなくおいしい食事、より良い顧客サービス、総合的なお店の成功を求めているのです。

ソリューション提供企業への転身とは上記のような事例を指します。

メーカーが商品だけを売る時代は終わっています。1980年代のジャパンアズNo.1の時代に、優れた製品を追求し続けた日本のメーカーは、世界でもトップレベルの会社に成長しました。しかしながら、その後のソリューション追及の時代の波に乗り遅れたようです。

・顧客は、ドリルが欲しいのではなく、穴が欲しい。
・顧客は、土木用重機が欲しいのではなく、整地された土地が欲しい。
・顧客は、エアコンが欲しいのではなく、快適な空気(環境)が欲しい。

日本の大手メーカーもこれらのことに対応し始めました。「ソリューション提供企業に転身する」、この言葉の意味するところです。

メーカー以外にもこの発想転換は重要です。
◆小売店

(現)アパレル店舗
(新)コーディネート機能の充実した試着専用店舗

コーディネート機能を充実させた試着用の実店舗を出店してネット販売との融合で経営の安定化を図ります。

⇒顧客は、服が欲しいのではなく、かわいい、かっこいい身なり・着こなしを維持したいのです。

■ソリューション提供企業への転身には発想の転換が必要です。

・タイヤではなく、安全・快適な足回りが欲しい。
・ドリルではなく、穴が欲しい。
・土木用重機ではなく、整地された土地が欲しい。
・エアコンではなく、快適な空気(環境)が欲しい。
・衣料(アウター)ではなく、身なりが欲しい。

◎貴社が今提供しているのは…
◎顧客が本当に求めているのは…

上記のギャップを埋めることがソリューションの追加です。
ご検討ください。