【実践コラム】スタートアップの資金調達戦略

エクイティとデッドの違いを理解しましょう。

あるスタートアップ経営者から資金調達の相談を受けました。エクイティで〇億円の調達を行ったが、次回はより高い株価でエクイティファイナンスを実施したいため、まずはデッドファイナンスを活用して業績を向上させたいと考えている。しかし、デッドファイナンスの経験がなく、自身で金融機関をあたったが、反応は良くないというものでした。

エクイティを提供する投資家と、デッドを提供する金融機関では、考え方が全く異なります。それぞれのポイントをおさえた事業計画書を、2つ用意する重要性について解説します。

■ エクイティファイナンスとは?
エクイティファイナンスは、企業が株式を発行して投資家から資金を調達する方法です。投資家は企業の成長性や市場での拡大可能性を重視します。このため、エクイティ用の事業計画書では、以下の要素を強調することが求められます。

・成長戦略:市場規模や成長予測、競合優位性を明確にし、どのようにして市場シェアを拡大するかを示します。

・革新性:製品やサービスの独自性や革新性をアピールし、なぜそれが市場で成功するのかを説明します。

・チームの強み:経営陣やチームの経験や実績を強調し、プロジェクトを成功に導く能力を示します。

数値計画は、大きな売上、大きな利益を描かないと投資家からは魅力を感じてもらえません。

■デッドファイナンスとは?
デッドファイナンスは、銀行や金融機関からお金を借りる方法です。金融機関は、企業が安定して利益を上げ、確実に返済できるかどうかを重視します。デッド用の事業計画書では、次の要素が重要です。

・収益性:具体的な収益予測や利益率を示し、安定したキャッシュフローを確保できることを証明します。

・リスク管理:リスク要因を特定し、それに対する対策を明示することで、金融機関に安心感を与えます。

・返済計画:具体的な返済スケジュールや資金繰り計画を提示し、確実に返済可能であることを示します。

大きな売上、大きな利益ではなく、返済可能な安定した収益と利益を確保できるかを重視します。

■ まとめ
スタートアップが資金調達を行う際には、エクイティとデッドの違いを理解し、それぞれに適した事業計画書を用意することが重要です。これにより、資金調達の成功率を高め、企業の成長を加速させることが可能となります。