【実践コラム】コロナ借換保証制度の活用について(その2)
コロナ借換保証によりリスケを正常化した事例
コロナ融資借換え保証制度は、コロナ融資の返済開始による資金繰り悪化を防ぐことが目的の制度ですが、返済期間10年で据え置きがあるため、リスケの正常化でも有効活用できます。
実際に正常化に活用したB株式会社の事例をご紹介します。
■B株式会社の借換え前の借入状況は下記となります。
【M銀行借入状況】
・プロパー借入 7,815千円 当初返済額833千円
・一般保証付借入 29,217千円 当初返済額595千円
【I銀行借入状況】
・プロパー借入 15,839千円 当初返済額833千円
・一般保証付借入 42,800千円 当初返済額833千円
B株式会社はリスケ後3年が経過しており、年間で10,000千円程度のキャッシュフローが出る状況まで業績は回復しています。しかし、当初の返済額は年間37,128千円であり、元に戻すにはまだ厳しい状況です。
そこで、O信用金庫にコロナ借換保証制度を活用したリスケの解消(正常化)について相談しました。O信用金庫は積極的に取り組んでくださり、下記にて借換えが実現しました。
■B株式会社の借換え後の借入状況は下記となります。
【O信用金庫借入状況】
・プロパー借入 23,654千円 返済額657千円
・コロナ借換 72,017千円 返済額 0千円
プロパー借入を当初3年間で返済し、4年後からコロナ融資の返済を始めることで、当初3年間の年間返済額は約8,000千円、4年目からの返済額は約10,000千円と返済額をキャッシュフローの範囲内に収めることができました。
リスケを継続してもらえるなら、そのままでも良かったのではとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、リスケの状態では、新たな融資は期待できないため、可能であれば正常化しておく方が良いです。
O信用金庫からは、今後の事業拡大資金も融資したいと表明いただいており、銀行取引の正常化により、今後の経営戦略についても選択肢が増えたと感じています。