【実践コラム】代位弁済について

信用保証協会の代位弁済について解説します

先日、「信用保証協会の保証付き融資を銀行から受けているが、業績が悪いため延滞している。銀行から保証協会に事故報告を上げると言われたが、何か良い調達方法はないか?」というご相談をお受けしました。

正直この段階では手の施しようがありませんので、新たな調達は難しい旨を丁寧にご説明しました。すると、社長様は吹っ切れた様子になり、今度は、「このまま支払えなかった場合はどうなるのか?」というご質問を熱心に始められました。

Q1.このまま支払えない場合はどうなるのか?
A1.延滞が続くと最終的には代位弁済となります。

Q2.代位弁済とは何か?
A2.貴社の借入については、信用保証協会が保証をしていますので、貴社が返済できなくなった時点で、信用保証協会が貴社の代わりに銀行に残債を支払います。これを代位弁済といいます。

Q3.代位弁済の手続きは自分でするのか?
A3.代位弁済は、銀行から信用保証協会に請求するものですので、貴社が手続きをすることはありません。

Q4.代位弁済の後はどうなるのか?
A4.銀行の借入がそのまま信用保証協会に移る形になりますので、今後は銀行ではなく、信用保証協会に対して返済を行っていきます。

Q5.毎月の返済額はいくらか?
A5.担保を差し入れている場合は、担保を処分して借入金の返済に充てる方向で手続きが進められます。担保を処分してもなお残った残債や、そもそも無担保で借り入れている場合は、利益の状況にあわせて返済額が決まります。

Q6.代位弁済というのは倒産のことか?
A6.法的な倒産とは違います。代位弁済となっても、その後保証協会に少しずつ返済をしながら事業を継続している企業様は多くいらっしゃいます。

最後は、「事業は継続できるのですね。」と少し安心されたご様子でした。業績が悪化し、支払いに追われている状態では、平静を保つのも難しくなります。しかし、何が起きるか分かっていれば、多少なりとも不安をやわらげることができます。事業の失敗は誰にでも起こりうることです。知識を身に着け、冷静に対処してください。